写真:人体模型(Wikimedia Commons/CC0)

解剖生理学 / 第1回

解剖の導入

体はどんな順番で組み上がっているのか。細胞の中には何が入っているのか。 そして、その体は何でできているのか。最初の1回で押さえる三つです。

ねらい

  • 体は細胞→組織→器官→器官系→個体の順に積み上がると言える
  • 「器官」と「器官系」の違いを自分の言葉で説明できる
  • ヒトの細胞の数のおよその桁を言える

この面で使う言葉

細胞
体をつくる最小の単位。これ以上分けると生きたはたらきを失う
組織
似たはたらきの細胞が集まったもの
器官
いくつかの組織が集まり、一定の形と役割をもつもの
器官系
同じ目的のために協力して働く器官のまとまり

体は5段階でできている

ミナ細胞とか組織とか器官とか、似た言葉が多すぎて、どれが大きいのか分からなくなります…
先生じゃあを思い浮かべて。レンガ1個が細胞。それを積んだ壁が組織よ。
ミナ壁で囲うと部屋になりますね。
先生その部屋が器官。そして、キッチンと洗面所とお風呂——水を扱う部屋のまとまり器官系。全部あわせて1軒の家が個体
ミナあ、大きくなっていく順番がそのまま名前の順なんだ。
言いかえるとレンガ(細胞)→ 壁(組織)→ 部屋(器官)→ 水回り一式(器官系)→ 1軒の家(個体)

小さいほうから順に積み上がっていきます。下から上へ、入れ子になっているのがポイントです。

体の階層

細胞生命の基本となる最小の単位組織似たはたらきの細胞が集まったもの器官いくつかの組織が集まり、一定の形と役割をもつ器官系同じ目的のために協力して働く器官のまとまり個体(ヒト)器官系が集まって、ひとりの体になる
おぼえかた — 細かい組が器用に系統立てて個になる:細胞・組織・器官・器官系・個体

なお、ヒトの体をつくる細胞の数はおよそ37兆個と見積もられています。 古い資料では「約60兆個」と書かれていることがありますが、近年はこの数が使われます。

押さえどころ

  • 大きさの順は 細胞 → 組織 → 器官 → 器官系 → 個体
  • 組織=似たはたらきの細胞の集まり/器官=組織が集まって形と役割をもつ
  • 器官系=同じ目的のために協力する器官のまとまり

覚えているか — この面の言葉

黒い部分をタップすると答えが出ます。

用語意味
細胞体をつくる最小の単位
組織似たはたらきの細胞が集まったもの
器官いくつかの組織が集まり、一定の形と役割をもつもの
器官系同じ目的のために協力して働く器官のまとまり
個体器官系が集まって、ひとりの体になったもの
自分の資料を差し込む授業で配られたプリントの写真、教科書の図、自分の手書きメモ

ねらい

  • 細胞が細胞膜・核・細胞質に分けられると説明できる
  • 主な細胞小器官の名前とはたらきを対応づけられる
  • 「原形質」が指す範囲を言える

この面で使う言葉

細胞膜
細胞を包んでいる膜。外と中を隔てる
原形質
細胞膜の内側にある中身全体。核と細胞質に分かれる
DNAを収める部分。ふつう1個
細胞質
核以外の中身。細胞小器官が入っている
細胞小器官
細胞の中にある、はたらきごとの小さな装置

細胞のつくり

ミナ細胞の中の名前も覚えられません。ミトコンドリア、リボソーム、ゴルジ装置…
先生1個の細胞を小さな工場だと思ってみて。まず細胞膜は工場の外壁ね。
ミナ中に機械が並んでるイメージですか。
先生そう。ミトコンドリアが発電所、リボソームが組み立てライン、ゴルジ装置が出荷部門、細胞骨格が建物の骨組み。そしてが設計図の保管室。
ミナ工場に例えると、なんで4つとも必要なのか分かる気がします。
言いかえると細胞=小さな工場。外壁(細胞膜)/設計図の保管室(核)/発電所(ミトコンドリア)/組み立てライン(リボソーム)/出荷部門(ゴルジ装置)/骨組み(細胞骨格)

細胞は細胞膜という袋に包まれ、中身を原形質とよびます。 原形質はさらに細胞質に分かれます。

細胞の内訳

細胞細胞膜原形質核膜・核質DNA を収める細胞質ミトコンドリアリボソームゴルジ装置細胞骨格

核は通常1個で、DNAを収めています。細胞質の中に、はたらきごとの小さな装置(細胞小器官)が入っています。

細胞=小さな工場

細胞膜(工場の外壁)🗄設計図の保管室ミトコンドリア発電所🔧リボソーム組み立てライン📦ゴルジ装置出荷部門

細胞小器官のはたらき

名前はたらきたとえるなら
ミトコンドリアエネルギー(ATP)をつくる細胞の発電所
リボソームタンパク質を合成する組み立て工場
ゴルジ装置分泌するものを仕上げ、送り出す出荷部門
細胞骨格形を保ち、細胞を動かす骨組みと筋肉

押さえどころ

  • 細胞=細胞膜原形質(原形質=核+細胞質)
  • ミトコンドリア=エネルギー/リボソーム=タンパク質合成
  • ゴルジ装置=分泌物の仕上げ/細胞骨格=形と動き

覚えているか — この面の言葉

黒い部分をタップすると答えが出ます。

名前はたらきたとえるなら
ミトコンドリアエネルギー(ATP)をつくる細胞の発電所
リボソームタンパク質を合成する組み立て工場
ゴルジ装置分泌するものを仕上げ、送り出す出荷部門
細胞骨格形を保ち、細胞を動かす骨組みと筋肉
自分の資料を差し込む細胞の図、授業スライドの写真

ねらい

  • 三大栄養素の名前を3つ挙げられる
  • それぞれがどこに、どんな形で貯えられるか言える
  • タンパク質だけ役割が違う理由を説明できる

この面で使う言葉

三大栄養素
糖質・脂質・タンパク質の3つ
グリコーゲン
糖質を貯えるときの形。肝臓と筋肉に入る
脂肪組織
脂質を貯える組織。皮下や内臓のまわりにある
アミノ酸
タンパク質を分解した最小の単位。吸収されて体を作り直す材料になる

細胞をつくる材料

ミナ三大栄養素って、結局それぞれ何が違うんでしょう。
先生お金の使い方に置き換えると早いわ。糖質は財布の中の現金。すぐ使えるけど、あまり入らない。
ミナじゃあ脂質は…
先生貯金。たくさん貯められるし、寒さから守ってもくれる。そしてタンパク質は現金でも貯金でもなく、家を建てる材料そのもの。
ミナだから筋肉や皮膚になるんですね。エネルギーとは役割が違う。
言いかえると糖質=財布の現金(すぐ使う)/脂質=貯金(貯めておく・断熱にもなる)/タンパク質=家を建てる材料(体そのものを作る)

体の材料は大きく3つ。三大栄養素とよびます。

三大栄養素

三大栄養素糖質C・H・O からなる肝臓と筋に貯蔵脂質脂肪酸を含む脂肪組織に貯蔵タンパク質アミノ酸が多数結合腸で分解・吸収

押さえどころ

  • 糖質=グリコーゲンとして肝臓と筋肉に貯まる
  • 脂質=脂肪組織に貯まり、皮下や内臓のまわりで熱を逃がさない
  • タンパク質=腸でアミノ酸まで分解して吸収し、体を作り直す材料になる

覚えているか — この面の言葉

黒い部分をタップすると答えが出ます。

名前成分体の中での扱われ方
糖質C・H・O肝臓と筋肉にグリコーゲンとして貯める
脂質脂肪酸を含む脂肪組織に貯め、皮下や内臓のまわりで熱を逃がさない
タンパク質アミノ酸が多数腸でアミノ酸に分解して吸収し、必要なタンパク質に作り直す
自分の資料を差し込む栄養素の表、配布プリント

ねらい

  • ここまでの内容を、選択問題で確認する
  • 間違えたところは各タブへ戻って読み直す

確認テスト

Q1生命の基本となる最小の単位はどれか。

Q2「似たはたらきの細胞が集まったもの」を何とよぶか。

Q3エネルギー(ATP)をつくる細胞小器官はどれか。

Q4糖質が体に貯えられるときの形と場所の組合せで正しいのはどれか。

Q5タンパク質は消化管でどこまで分解されて吸収されるか。

※ 本番版では、間違えた問題だけが後日もう一度出てくる仕組みが入ります。

ねらい

  • この面だけで、ファイル全体を通しで確かめられる
  • 思い出せないところは、その面へ戻って読み直す

全体チェック

この1枚に全部入っています。黒い部分をタップすると答えが出ます

① 体のなりたち

🔍 小さいほうから、入れ子になって積み上がる。
細胞生命の基本となる最小の単位組織似たはたらきの細胞が集まったもの器官いくつかの組織が集まり、一定の形と役割をもつ器官系同じ目的のために協力して働く器官のまとまり個体(ヒト)器官系が集まって、ひとりの体になる
  • 細胞 → 組織 → 器官 → 器官系 → 個体
  • 組織=似たはたらきの細胞の集まり/器官=組織が集まって形と役割をもつ
  • 器官系=同じ目的のために協力する器官のまとまり(例:消化に関わる一式)
  • ヒトの細胞は、およそ 37兆

② 細胞のつくり

🔍 袋(細胞膜)の中身が原形質。原形質は核と細胞質に分かれる。
  • 細胞=細胞膜 + 原形質 / 原形質=細胞質
  • 核はふつう1個で、DNA を収める
  • ミトコンドリア=エネルギー(ATP)をつくる/リボソーム=タンパク質を合成
  • ゴルジ装置=分泌するものを仕上げる/細胞骨格=形を保ち、動かす

③ 体をつくる材料

🔍 三大栄養素。貯め方と役割がそれぞれ違う。
  • 糖質… C・H・O。グリコーゲン として肝臓と筋肉に貯まる
  • 脂質脂肪組織 に貯まり、皮下や内臓で熱を逃がさない
  • タンパク質… 腸で アミノ酸 に分解して吸収し、体を作り直す材料になる
  • エネルギー源は糖質と脂質。タンパク質だけ役割が違う

④ つながり

🔍 材料が細胞になり、細胞が体になる。
  • 食べた三大栄養素が、細胞の材料エネルギーになる
  • その細胞が組織・器官・器官系と積み上がって、ひとりの体になる
書き込みの道具(note-take.js)だけ外部から読み込み。図はすべて座標を計算して生成した SVG です。