社会保険労務士 / 労働科目

労働基準法・労働安全衛生法

直近5年で繰り返し問われている論点だけを、数字が見える図にしてまとめました。最後に本試験と同じ形式(5肢択一・選択式)で確かめられます。

👤 社労士 受験生向け 2027年度(令和9年度)受験向け ⏱ 目安30分

この面のねらい

  • 割増賃金は「足し算」で出す。重なったときの数字を、自分で組み立てられるようにする
  • 36協定の上限は、休日労働を含むか含まないかで分けて覚える
  • 年次有給休暇は、付与日数と時季指定義務の5日を切り離して押さえる

労基法第37条1.割増賃金 ― 重なったら足し算

図1:割増賃金率の積み上げ

通常(法定内)基礎100%時間外基礎+25125%時間外+深夜基礎+25+25150%月60時間超+深夜基礎+50+25175%休日+深夜基礎+35+25160%基礎賃金=100重なったら足し算。休日労働は「時間外」ではないので、月60時間の計算には入らない。
引っかけ 休日労働は「時間外労働」ではないため、1か月60時間の算定には含めない。休日+深夜は 35+25 で6割以上。
⚡ チェック ─ 割増賃金率
Q. 1か月60時間を超える時間外労働の割増率は?
5割以上。2023年4月から中小事業主にも適用されています。超えた部分だけが5割です。
Q. 休日労働の割増率は?
3割5分以上。時間外と深夜が2割5分、休日だけ3割5分です。
Q. 管理監督者に深夜割増は?
必要。適用除外は労働時間・休憩・休日の3つだけ。深夜割増と年次有給休暇は適用されます。
図1ミラー:割増賃金率
時間外月60時間超休日深夜
25%以上50%以上35%以上25%以上

深夜は原則 22 時から翌 5 時。時間外+深夜=50%以上、休日+深夜=60%以上。

労基法第36条2.36協定の上限 ― 「含む・含まない」で決まる

図2:時間外労働の上限規制

原則(月)45時間特別条項(単月)100時間未満休日労働を含む複数月平均80時間以内2〜6か月いずれも・休日労働を含む年の上限原則 360時間 / 特別条項 720時間以内(時間外のみ・休日労働を含まない)月45時間を超えられるのは年6か月まで
引っかけ 単月100時間未満と複数月平均80時間以内は休日労働を含む。年720時間は含まない。月45時間を超えられるのは年6か月まで。
⚡ チェック ─ 上限規制
Q. 特別条項の年間上限は?
720時間以内。原則は360時間。年720時間には休日労働を含みません。
Q. 月45時間を超えられるのは年何か月まで?
年6か月まで。回数制限は選択式でも狙われます。
図2ミラー:上限規制の数字
原則月 45 時間・年 360 時間
特別条項(年)720 時間以内(休日労働を含まない)
特別条項(単月)100 時間未満(休日労働を含む)
複数月平均80 時間以内(2〜6か月のいずれも)
月45時間超年 6 か月まで

労基法第39条3.年次有給休暇

図3:付与日数と時季指定義務

0日5日10日15日20日106か月111年6か月122年6か月143年6か月164年6か月185年6か月206年6か月〜継続勤務6か月+出勤率8割以上 → 10日。以後1年ごとに増え、6年6か月で20日10日以上付与される労働者には、年5日を時季を指定して取得させる義務(使用者)
引っかけ 年5日の時季指定義務の対象は10日以上付与される労働者。全員ではありません。年休の請求権の時効は2年(賃金請求権は当分の間3年)。
⚡ チェック ─ 年次有給休暇
Q. 6年6か月以上の付与日数は?
20日。6か月10日から始まり、11・12・14・16・18・20と増えます。
Q. 時間単位年休の上限は?
年5日分まで。労使協定の締結が必要です。

覚えているか — この面の数字

黒い部分をタップすると答えが出ます。

項目内容
8時間法定労働時間(1日)。1週は40時間
45分労働時間が6時間を「超える」場合の休憩
1時間労働時間が8時間を「超える」場合の休憩
4週4日変形休日制。原則は毎週1回の休日
60%使用者の責めに帰すべき休業のときの休業手当(平均賃金の割合)
自分の資料を差し込む割増賃金や36協定の資料があれば、ここに写真を入れて並べて確かめられます

この面のねらい

  • 労働条件の明示は、2024年4月に追加された3点が狙われる
  • 解雇予告は「日数の足し算」と「認定の要否」で解く
  • 就業規則は10人・3つの絶対的記載事項・意見聴取の流れで押さえる

労基法第15条1.労働条件の明示

2024年4月〜すべての労働者に対し、次が追加されました。

全員就業の場所・従事すべき業務の変更の範囲
有期のみ通算契約期間または更新回数の上限
無期転換時無期転換申込機会と、転換後の労働条件

「変更の範囲」は、雇入れ直後の内容だけでなく、将来の配置転換の範囲まで示す点が新しいところです。

⚡ チェック ─ 明示事項
Q. 「変更の範囲」の明示が必要なのは?
すべての労働者。更新上限と無期転換に関する明示は有期の労働者が対象です。

労基法第19・20条2.解雇

図4:解雇予告の日数

30日前20日前10日前0日前解雇の日20日前に予告 → 不足10日分の平均賃金を支払う30日前の予告、または30日分以上の平均賃金(予告手当)。日数は足し合わせて調整できる予告が不要になるのは、天災事変等で事業の継続が不可能な場合と、労働者の責めに帰すべき事由の場合。いずれも所轄労働基準監督署長の認定が必要(認定なしでは免れない)。
引っかけ 天災事変等・労働者の責めに帰すべき事由のいずれも、所轄労働基準監督署長の認定が必要。認定なしに予告義務は免れません。
⚡ チェック ─ 解雇
Q. 20日前に予告した場合は?
不足10日分。予告日数と手当の日数は足し合わせて調整できます。
Q. 業務上の負傷で療養休業中の解雇は?
休業期間とその後30日間は禁止。産前産後休業も同じ扱いです。

労基法第24・89条3.就業規則と賃金

作成義務常時10人以上の労働者を使用する事業場
絶対的必要記載事項①労働時間関係(始業終業・休憩・休日・休暇・交替)②賃金関係(決定・計算・支払方法、締切・支払時期、昇給)③退職関係(解雇の事由を含む)
手続過半数代表の意見を聴く(同意までは不要)→ 行政官庁へ届出 → 周知

賃金支払の5原則(24条)

通貨払・直接払・全額払・毎月1回以上払・一定期日払

直接払には例外がなく、代理人への支払いは違反です(本人同意による口座振込は可)。

ミラー:数字と期間
就業規則の作成義務常時 10 人以上
解雇予告30 日前、または 30 日分以上の平均賃金
賃金請求権の時効当分の間 3 年(退職手当は 5 年)
年次有給休暇の時効2 年
休業手当平均賃金の 60%以上

覚えているか — この面の数字

黒い部分をタップすると答えが出ます。

用語内容
平均賃金算定事由の発生日以前3か月間の賃金総額を、その期間の総日数で割った額
管理監督者労働時間・休憩・休日が適用除外。深夜割増と年休は適用される
高度プロフェッショナル制度年収要件を満たす専門業務。時間外・休日・深夜の割増がいずれも適用されない
専門業務型裁量労働制2024年4月から本人の同意と、同意の撤回手続の定めが必要になった

この面のねらい

  • 選任・実施義務は「50人」を軸に覚える
  • 健康診断と面接指導は、時期と閾値を数字で押さえる
  • 改正は「施行されているか」で扱いが変わる。未施行は現行のままで解く

安衛法第10〜13条1.安全衛生管理体制 ― 境目は50人

図5:規模別の選任・実施義務

10人50人100人1000人安全衛生推進者・衛生推進者10〜49人衛生管理者(全業種)50人以上・規模で人数増産業医(全業種)50人以上・1000人以上は専属衛生委員会(全業種)毎月1回以上開催定期健診の結果報告50人以上の事業場ストレスチェック50人以上に義務(未満は努力義務)総括安全衛生管理者業種により100/300/1000人横軸は「常時使用する労働者数」。50人が最大の境目。安全管理者は一定の業種で50人以上。
選任するもの規模補足
総括安全衛生管理者100・300・1000人以上業種で分かれる(林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業=100人)
安全管理者50人以上一定の業種のみ
衛生管理者50人以上全業種。規模が大きいほど人数が増える
産業医50人以上全業種。1000人以上(有害業務は500人以上)で専属
安全衛生推進者等10人以上50人未満選任は14日以内
⚡ チェック ─ 管理体制
Q. 衛生委員会の設置基準は?
全業種50人以上。毎月1回以上開催します。議長以外の委員の半数は、過半数代表の推薦に基づき指名します。
Q. 産業医が専属となるのは?
1000人以上(一定の有害業務は500人以上)。

安衛法第66条2.健康診断と面接指導

雇入時常時使用する労働者を雇い入れるとき
定期1年以内ごとに1回
特定業務従事者配置替えの際と6か月以内ごとに1回(深夜業を含む)
結果の通知異常の所見の有無にかかわらず全員に通知
結果報告常時50人以上の事業場が所轄労働基準監督署長へ

図6:面接指導が義務になる時間

一般の労働者月80時間超 + 疲労の蓄積本人の申出が必要研究開発業務月100時間超申出がなくても義務高度プロフェッショナル健康管理時間 月100時間超申出がなくても義務時間外・休日労働の合計時間(1か月あたり)面接指導は医師が行う。事業者は結果を5年間保存し、必要な措置について医師の意見を聴く。
⚡ チェック ─ 健康管理
Q. 定期健診の結果報告が必要なのは?
50人以上。ここも50人が境目です。
Q. 研究開発業務の面接指導は?
申出は不要。一般の労働者は月80時間超+疲労の蓄積+申出が要件です。

—施行日3.改正の扱い ― 施行されているかで判断する

出題範囲に入る職場の熱中症対策(2025年6月1日施行)

WBGT28以上または気温31度以上で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行うことが見込まれる作業が対象。①報告体制の整備 ②悪化を防ぐ措置の手順作成 ③関係者への周知が義務で、罰則もあります。
2025年度試験では基準日前で範囲外でした。ここが昨年からの変更点です。

出題範囲に入る個人事業者等の安全衛生対策(2026年4月1日 一部施行)/化学物質の自律的管理(2026年4月1日にラベル表示・SDS交付・リスクアセスメントの対象物が追加)

まだ範囲外 常時50人未満の事業場へのストレスチェックの義務化は、改正法が2025年5月14日に公布されましたが、施行は2028年4月1日です。出題の基準日には未施行のため、現行どおり「50人以上に義務・50人未満は努力義務」で解答します。
また「労働基準法の大改正」が話題になっていますが、2026年時点で法案は提出されておらず、施行時期も未定です。
ミラー:安衛法の数字
衛生管理者・産業医・衛生委員会常時 50 人以上
安全衛生推進者等常時 10 人以上50人未満
定期健康診断1年 以内ごとに1回
特定業務従事者の健診6か月 以内ごとに1回
面接指導(一般)月 80 時間超+疲労の蓄積+申出
面接指導(研究開発)月 100 時間超(申出不要)
ストレスチェック常時 50 人以上に義務・1年 以内ごとに1回
自分の資料を差し込むお使いのテキストの体制図を写真で入れて、この図と見比べられます

この面のねらい

  • 本試験と同じ5肢択一で解く。「正しいもの」「誤っているもの」を必ず読み分ける
  • 選択式は語群から選ぶ。数字は前後の文脈で決まる

演習択一式択一式(5肢択一)

問題文の左にある印が、正しいものを選ぶのか誤っているものを選ぶのかを示しています。選択肢を押すと採点され、すべての肢について解説が出ます。

Q1正しいもの労働基準法の労働時間・休憩・休日に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Q2誤っているもの割増賃金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Q3誤っているもの時間外労働の上限規制(36協定)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Q4正しいもの年次有給休暇に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Q5誤っているもの労働契約の締結・終了に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Q6正しいもの安全衛生管理体制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

Q7誤っているもの健康診断および面接指導に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Q8誤っているもの労働安全衛生法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(2027年度受験を前提とする)

演習選択式選択式

選択式 次の文中の空欄に入る語句を、語群から選びなさい。

使用者は、労働者に対して、1週間について A   時間を超えて労働させてはならない。また、時間外労働の上限は、原則として1か月 B   時間、1年 C   時間である。時間外労働が1か月 D   時間を超えた場合の割増賃金率は E   割以上でなければならない。

記録進捗学習の進み具合

この画面は見本です。数字は固定で入れてあります。実際のノートでは、あなたが押した「OK」を数えて自動で書き換わります。

学習の進み具合全45項目

おぼえた17復習待ち13今日出す6未着手9
① 時間とお金
12/12 今日1
② 契約と規則
10/11 今日2
③ 安衛法の体制
8/11 今日1
④ 確認テスト
6/11 今日2

この表の見かた

  • おぼえた… 3回続けて答えられた項目。もう復習に出ません
  • 復習待ち… 一度おぼえて、次に出る日を待っている項目
  • 今日出す… 復習の日が来た項目。下に並びます
  • 未着手… まだ一度も「OK」を押していない項目

復習の間隔は 3日 → 7日 → 14日。設定で変えられます。

きょう出す項目(3)

思い出せたら「OK」、あやしければ「もう一度」。押した結果が上の表に返ります。

① 時間とお金時間外+深夜の割増率は?
② 契約と規則解雇予告手当は何日分?
③ 安衛法の体制衛生管理者の選任は何人以上から?
@Carydemy